フリーランス・業務委託の住宅ローンは審査通過できる?ポイントを解説

不動産

住宅ローンを利用する場合、まずは申し込みと審査が必要になります。

審査基準は各金融機関ごとに異なりますが、共通して重要視されるポイントの一つが「安定かつ持続的な収入があること」です。

一定の収入が安定している場合、パートタイムやアルバイトでも多くの金融機関が住宅ローンの申し込みを受け付けています。

では、フリーランスや業務委託で収入を得ている人は住宅ローンを利用することができるのでしょうか? お答えします。

フリーランスや業務委託で収入を得ている人でも、住宅ローンを利用することが可能です。

ただし、その際には特定の要件や条件が存在することがあります。

フリーランスや業務委託の方は、一般的に給与所得者と比べて収入の不安定さが指摘されることが多くあります。

しかし、収入の変動があるからといって住宅ローンを断られることはありません。

住宅ローンを利用する際には、収入の安定性を証明するために収入証明書や確定申告書などが求められる場合があります。

フリーランスや業務委託の方は、これらの書類を提出することで自身の収入の安定性を示すことができます。

また、収入の変動がある場合は、最近の収入状況などを説明する書類や口述による説明を求められることもあります。

さらに、住宅ローンの金利や返済条件なども、フリーランスや業務委託の方にも適用されます。

ですので、金融機関によって違いがあるものの、他の種類のローンと同様に、収入や信用度などが考慮されます。

自営業者の場合、事業の安定性や信用情報も影響を与える可能性があります。

最後に、フリーランスや業務委託の方におすすめの住宅ローンもご紹介します。

特に、収入の変動が大きい場合や自営業者の方向けに、収入査定が柔軟なローン商品も存在します。

例えば、平均的な収入や確定申告の平均額をベースに柔軟な審査を行うローン商品や、収入の変動に応じて返済額を調整することができるローン商品などがあります。

フリーランスや業務委託の方で現在収入を得ており、将来的に住宅ローンを利用することを考えている場合、上記の情報を参考にしてください。

ただし、具体的な条件や要件は金融機関によって異なる場合があるため、各金融機関の公式ウェブサイトや担当者に確認することをお勧めします。

フリーランス・業務委託でも住宅ローン契約は可能

フリーランスや業務委託で収入を得ている方でも、住宅ローンの契約は可能ですが、審査には給与所得者よりも難しさがあることをお伝えしておきます。

住宅ローンの審査では、収入を証明する書類の提出が求められます。

給与所得者の場合、直近の源泉徴収票の提出だけで審査が通るケースが多いですが、フリーランスや業務委託で収入を得ている方は、過去数年間の確定申告書の提出を求められます。

これは、直近1年の確定申告書だけでは、収入の安定性を十分に評価することができないと金融機関が考えているためです。

金融機関は、過去数年間の収入の増減を見ることで、将来の収入の安定性を判断します。

もし収入が大きく変動している場合、今後も安定した収入を得られるかどうか疑われるかもしれません。

また、フリーランスや業務委託の方は社会保障がないため、病気や経済情勢の変化によって収入が減る可能性があります。

このようなリスクを考慮して、金融機関は返済能力を審査する際に非常に慎重になるのです。

そのため、フリーランスや業務委託で収入を得ている方が住宅ローンの審査に通るためには、毎月一定額以上の収入を継続して得ていることを証明する必要があります。

これが審査で重要なポイントとなります。

以上がフリーランスや業務委託で収入を得ている方にとって重要な点ですので、住宅ローンを申し込む際には理解しておいてください。

フリーランス・業務委託と自営業(個人事業主含む)の違い

フリーランスや業務委託で収入を得ている人と自営業者(個人事業主を含む)の違いには、いくつかのポイントがあります。

フリーランスとは

フリーランスとは、通常、企業や団体に所属せず、個人の専門能力を提供することによって仕事を行っている人のことを指します。

例えば、IT業界のプログラマーやWebデザイナーには、フリーランスの人が多いと言われています。

また、独立して仕事をしているライターやカメラマン、アナウンサー、最近ではYouTuberなどもフリーランスとして位置づけられます。

自営業者とは、文字通り「自らが事業を経営している人」を指します。

個人事業主とは、「個人が事業を経営し、かつ開業届を税務署に提出している人」です。

フリーランスの中にも、個人事業主の人と、そうでない人が存在し、その違いは、開業届を提出しているかどうかにあります。

また、自営業者の中には、法人登録をし、会社として運営している人もいます。

法人と個人は異なる存在ですので、法人登録をしていない自営業者は個人事業主に該当します。

フリーランスは特定の企業や団体に所属しないため、自由な働き方ができるのが特徴です。

業務委託とは

業務委託とは、企業から依頼された業務を自分で行い、その代わりに報酬を得る契約のことを指します。

具体的には、クライアントから特定の業務を任された場合、その業務について報酬を受け取る形で契約を結ぶことがあります。

業務委託には、2つの契約形態があります。

1つは委任契約で、これはクライアントから頼まれた業務を達成すると報酬が支払われる契約です。

一方、もう1つは請負契約で、依頼された業務を完了し報告を行った後に報酬が支払われる契約です。

この2つの契約には違いがあります。

一般的に、大きなプロジェクトや工事などでは、請負契約が使用されます。

これは、業務が完了するたびに報酬が支払われるのではなく、全ての業務が終わった後に一括して報酬が支払われる契約です。

一方、委任契約は、複数の業務がある場合に、各業務の完了ごとに報酬が支払われる契約です。

業務委託を利用する企業(クライアント)側には、社内にいない専門的なスキルを持つ人材を雇用せずに、その業務を行ってもらうメリットがあります。

また、業務を受ける側としては、自分の時間を自由に使いながら業務を行うことができる利点があります。

業務委託を受ける人々の中には、フリーランスとして自分自身で仕事を集め、受けた業務に対して報酬を受け取る人々もいます。

また、複数の企業と業務委託契約を結び、それらの業務を行って報酬を得る人々もいます。

さらに、両方を組み合わせて収入を得る人々もいます。

これらの方法により、効率的に収入を得ることができます。

フリーランス・業務委託の住宅ローン審査基準

フリーランスや業務委託によって収入を得ている人の場合、住宅ローンの審査基準は少し異なることがあります。

フリーランス・業務委託は金融機関から自営業(個人事業主)と見なされる

「フリーランスや業務委託で稼いでいる人は、金融機関からみると、自営業者や個人事業主とみなされます。

その理由は、給与所得者と違って、安定した収入がないからです。

専門的なスキルを持っていても、需要がなければ収入が得られません。

需要がない限り、収入が得られないという性質上、自営業者とみなされるのは仕方がありません。

クライアント側も常に同じ人に仕事を依頼するわけではなく、新しい人材を見つけることもあります。

給与所得者よりも安定した収入が見込める可能性が低いため、これが主な理由です。」

フリーランス・業務委託の審査基準

フリーランスや業務委託で収入を得ている方々の場合、収入に基づいて審査が行われます。

給与所得者は年収で評価されるのに対し、フリーランスや業務委託者の場合は所得で評価されます。

所得とは、年間で得た収入から業務遂行に必要な経費を差し引いた金額のことであり、経費が多いほど所得金額は減少します。

審査において重要な要素となるのは、返済負担率です。

返済負担率とは、年収や所得に対して年間のローン返済額が占める割合のことで、所得が少ない場合は希望する金額まで融資を受けることができない場合もあります。

給与所得者と同じ収入があったとしても、経費の差引きによって所得金額は減少し、返済負担率の基準を満たすのは難しくなります。

つまり、給与所得者と同じ条件で借入するためには、給与所得者よりも高い所得を得る必要があるのです。

また、給与所得者は退職金が期待できますが、フリーランスや業務委託者の場合は退職金は見込めません。

さらに、給与所得者の場合は勤務先の信用度が審査に有利に働くこともありますが、フリーランスの場合は個人の信用度を示すものがありません。

これらの理由から、フリーランスや業務委託者の方は、給与所得者に比べて住宅ローンの審査が難しいという面があります。

しかしながら、最近では所得だけでなく他の要素も考慮する金融機関も増えてきており、そうした機関を選ぶことで住宅ローンの審査に通過する可能性は充分にあります。

フリーランス・業務委託の住宅ローン利用時のポイント・注意点

自営業やフリーランスで生計を立てている方が住宅ローンを申請する場合、次のポイントと注意点を押さえておくことが重要です。

独立して一定期間経過してから申し込む

収入の安定性を証明するためには、フリーランスや業務委託で収入を得ている期間を一定期間続けることが大切です。

一般的には、独立してから3年程度経過してから申し込むほうがおすすめです。

なぜなら、独立直後は広告宣伝費や必要な機材の購入などの経費がかかるため、実際の所得は少ないケースが多いからです。

しかし、2年目や3年目になると収入も増え、経費を差し引いた所得も少しずつ上がっていることを示せるようになります。

実際、住宅ローンを組むためには、フリーランスや業務委託の場合、直近3年間の確定申告書の写しを提出することが求められます。

そのためにも、最低でも3年以上の実績が必要です。

所得金額を申込条件に明記していない金融機関に申し込む

金融機関によっては、前年度の税込収入が200万円を超える必要があるという収入基準を設けている場合があります。

ただし、この税込収入というのは給与所得者に対して適用されるものであり、自営業者やフリーランス、業務委託で収入を得ている場合は所得金額という言葉を使います。

つまり、所得金額が200万円以上でなければ、住宅ローンの申し込みはできないということです。

たとえ収入が200万円を超えていても、経費が多くかかってしまい最終的な所得金額が200万円を下回っていると、申し込みすらできません。

従って、住宅ローンを申し込む際には、まず申込条件を確認し、もし可能なら収入基準を明示していない金融機関に申し込むよう心がけましょう。

その他借り入れを無くしておく

フリーランスや業務委託で収入を得ている人だけでなく、住宅ローンを利用する全ての人に当てはまることですが、多くの借り入れがあると審査に通るのが難しくなります。

これは、既に借り入れがある場合に住宅ローンを追加することによって、返済が困難な状況に陥ることを防ぐためです。

先に述べたように、返済負担率は年間のローン返済額に他社からの借り入れも含まれます。

したがって、希望の借入額や金利、返済期間に基づいてシミュレーションを行い、返済負担率ができるだけ30%~35%以下になるようにすることが最適です。

もし返済負担率が35%を超える場合は、他社からの借り入れを返済するか、希望の借入額を減らすなどの対策を考えることをおすすめします。

頭金を多く用意する

多額の資金をあらかじめ用意することで、借り入れる金額を減らし、将来的な返済負担も軽減する可能性があります。

例えば、初期費用や頭金を多く支払うことで、ローンの必要額を減らすことができます。

これは、ある程度の自己資金を投資することによって、将来の返済能力を証明することでもあります。

もちろん、フルローンという選択肢もあります。

これは、購入したいものの全額を借り入れることです。

しかし、この場合、将来の収入の安定性や返済能力がより厳しく審査される可能性があります。

ですので、できるだけ借入金額を抑えるように心がけることが重要です。

頭金以外の金融資産を用意しておく

頭金を入れた場合でも、まだ十分な預金が残っていれば、もし収入が減少したり一時的になくなっても、一定期間は返済を続けることができます。

金融機関は、借り手の返済能力を判断するために多くの要素を考慮します。

そしてその一つの指標として、現在保有している金融資産の量をチェックします。

これは住宅ローンの返済だけでなく、もし収入が途絶えた場合に生活費を確保するためにも重要なポイントです。

なるべく、住宅ローンの返済も含めて1年間は生活できるくらいの預金を確保することが望ましいです。

信用情報を確認しておく

住宅ローンの審査は、他のローンの審査と同様に、信用情報の確認が行われます。

申し込みを受けた金融機関は、信用情報機関と呼ばれる3つの機関に対して照会を行い、個人の信用事故情報が登録されているかどうかを確認します。

もし信用事故情報が登録されていた場合、審査に通ることは非常に難しいでしょう。

信用事故情報の内容は、ケースによって異なりますが、通常は5年から10年間保存されます。

自分の信用情報が気になる場合は、信用情報機関に情報開示を請求してみることをおすすめします。

ただし、情報開示の請求は本人に限られますが、インターネットを通じて簡単に行うことができます。

不安があるなら、請求して確認しておくことが重要です。

もし情報開示を請求した結果、信用事故情報が登録されていることがわかった場合は、その情報が消えるまで、住宅ローンを含む他のローンやクレジットカードの申し込みは避けるべきです。

団体信用生命保険に加入できる体況かどうかを確認しておく

住宅ローンを利用する場合、一部の例外を除いて、必ず団体信用生命保険に加入する必要があります。

団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者がもしも死亡または重度の障害状態になった場合、保険料に応じて残っている住宅ローンの返済額が保障される生命保険です。

このため、団体信用生命保険に加入するためには、事前に応募書類に健康状態を告知する必要があります。

そして、加入するためには健康な状態であることが望ましいです。

もし、持病や重大な病気の経験があった場合、団体信用生命保険に加入することができず、その結果、住宅ローン自体を利用することができなくなってしまいます。

自営業や業務委託で収入を得ている場合、多くの場合、国民健康保険に加入していることが考えられます。

国民健康保険では、定期的な健康診断を受けるためには自治体に申し込む必要があります。

自治体が実施する健康診断は無料で受けることができますので、年に一度の定期健康診断を受けることを心がけましょう。

そして、もし健康診断の結果に異常が見つかった場合は、早めに病院を受診し治療をすることをおすすめします。

早期発見と治療は、健康状態を維持するために非常に重要です。

フリーランス・業務委託に向いている住宅ローンや金融機関

収入源がフリーランスや業務委託の方々におすすめの住宅ローンとして、フラット35があります。

フラット35はフリーランス・業務委託も利用しやすい

自営業者や個人事業主、フリーランスなどにフラット35がおすすめである理由は、一般の金融機関の住宅ローンに比べて、申し込みの条件がより柔軟に設定されているからです。

フラット35では、以下の条件を満たせば申し込むことが可能です。

まず、申し込み時の年齢は満70歳未満である必要があります。

さらに、日本国籍であること(外国人の場合は永住許可を受けているか特別永住者であること)、購入する物件が住宅金融支援機構の定める技術基準に適合していること、そして年収(所得)に応じた返済負担率の基準を満たすことも必要です。

審査においても、直近の1年分の確定申告書があれば十分であり、独立して間もないフリーランスや業務委託で収入を得ている人でもフラット35を利用することができます。

また、団体信用生命保険への加入も任意であり、自身の保険ニーズに合わせて選択することができます。

さらに、フラット35では全期間固定金利が適用されるため、将来にわたって返済額が一定であるというメリットがあります。

この点により、将来の返済計画を立てやすくなり、安定した予算管理が可能です。

ただし、全期間固定金利のため、金利が下がった場合には恩恵を受けることはできません。

また、物件が技術基準に適合するかについての物件検査費用が別途かかる可能性がある点にも注意が必要です。

まとめ

フリーランスや業務委託で収入を得ている人でも、住宅ローンを利用することができます。

しかし、給与所得者と比べると審査基準が厳しくなる傾向があります。

ですので、上記で説明したポイントや注意点を理解した上で、申し込む金融機関を選ぶことが重要です。

さらに、書類の提出だけでは把握しづらい事業内容や、世帯全体の資産状態も考慮して審査してくれる金融機関も存在します。

そのような金融機関を見つけて、申し込むことも一つの方法です。

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