一般的に、マンションには「サービスバルコニー」と呼ばれる特別なバルコニーが設置されることがあります。
このサービスバルコニーについて、詳しく説明していきます。
サービスバルコニー
サービスバルコニーとは、奥行きが1m以下の非常に小さなバルコニーのことを指します。
通常、メインのバルコニーとして利用されることはなく、代わりに小さな荷物置き場やサブのバルコニーとして使われることが一般的です。
ほとんどの物件では、キッチンの横に設置されており、キッチンで出るゴミやリビングの室外機などを置くためのスペースとして利用されます。
ただし、バルコニーは元々災害時の避難経路として活用されることもありますので、避難経路を持たないバルコニーがサービスバルコニーと呼ばれることもあります。
ただし、サービスバルコニーには明確な定義が存在しないため、「避難経路にならない、非常に小さなバルコニー」という理解で問題ありません。
サービスバルコニー・バルコニーとベランダの違い
サービスバルコニーは、一般的なバルコニーやベランダとは異なる特徴があります。
まず、サービスバルコニーは主にマンションの共用部分にあり、住民が洗濯物を干すために使用することが一般的です。
一方、一般的なバルコニーやベランダは、個々の住戸に付随しているプライベートなスペースであり、リラックスや外部の景色を楽しむために使用されることが一般的です。
また、サービスバルコニーは特に洗濯物の干し場としての役割が重要です。
そのため、設備としては洗濯物を干すためのハンガーや物干し竿が備え付けられていることが一般的です。
一方、一般的なバルコニーやベランダは、テーブルや椅子などの家具を配置し、くつろぐ場所として使われることが多いです。
さらに、サービスバルコニーは通常、低い壁や柵で囲まれています。
これは、洗濯物が風で飛ばされるのを防ぐためです。
一方、一般的なバルコニーやベランダは、景色を楽しむためにできるだけ開放的なデザインがされており、壁や柵がないことが多いです。
つまり、サービスバルコニーは洗濯物を干すための専用スペースであり、共用部分にあることが一般的です。
一方、一般的なバルコニーやベランダは、個々の住戸に付随したプライベートなスペースであり、リラックスや外部の景色を楽しむために使用されることが一般的です。
サービスバルコニーとバルコニーの違い
サービスバルコニーと一般的なバルコニーの違いは、面積の大きさです。
サービスバルコニーは奥行きが1m未満のスペースに設置される設備を指します。
一方、一般的なバルコニーは1.5~2m程度の奥行きを持つ広いスペースを指します。
また、サービスバルコニーはキッチンの横などに設置されることが一般的で、小さめのスペースです。
一方、リビングダイニングなどに面した大きなバルコニーは「メインバルコニー」として知られることもあります。
サービスバルコニーでは洗濯物を干すことやくつろぐことができないため、日常生活ではメインバルコニーを利用することが一般的です。
バルコニーでは人が作業するための広さがありますが、サービスバルコニーは人が作業しにくい程度の広さしかありません。
少量の荷物を置く程度の使い方に適しています。
したがって、バルコニーとして利用できる広さがある場合は「バルコニー」と呼びますが、作業用途には不向きで、ちょっとした物や荷物を置く程度の広さしかない場合は「サービスバルコニー」と呼ばれます。
このような判断は一般的に問題ありません。
サービスバルコニーとベランダの違い
サービスバルコニーとベランダの主な違いは、屋根の有無です。
ベランダには手すりと屋根がついていますが、バルコニーには手すりがついていても屋根はありません。
通常、バルコニーのほうがベランダよりも広いとされていますが、サービスバルコニーはこの例外です。
実際には、ベランダの方が面積が広いことがあります。
ただし、サービスバルコニーとベランダには共通点もあります。
それは、「建物の2階以上に設置されている」という点と、「外壁から張り出している」という点です。
なお、サービスバルコニーもベランダも、マンションでは「専有部分」として定められています。
つまり、居住者が専用で使用できる共有スペースです。
この点には注意が必要です。
一般的なバルコニーも、同じように専有部分とされています。
サービスバルコニーのメリット
サービスバルコニーは、その面積が小さめであるため、メインのバルコニーとして利用するには少々不便かもしれません。
しかし、その利用方法に制限がある一方で、実は非常に便利な設備であることも事実なのです。
そこで、この章ではサービスバルコニーのメリットを紹介します。
以下に4つのメリットをご紹介いたします。
ゴミ置き場としても利用できる
家族が多い家庭や自炊をしていると、たくさんの生ゴミが発生しますよね。
それで困るのが、ゴミ置き場です。
室内にゴミを置いておくと、衛生的によくありませんし、特に夏場はニオイが気になります。
そこで、サービスバルコニーを利用することで、このようなゴミを一時的に保管することができます。
もちろん、そのままゴミを置いておくのは衛生的によくありませんので、外に設置するためのゴミ箱が必要です。
しかし、室内にゴミを保管する必要がなくなるため、ニオイやスペースのストレスが大幅に軽減されます。
ゴミにお悩みのご家庭にとって、サービスバルコニーは便利に活用できるでしょう。
物置として利用できる
サービスバルコニーは、作業スペースとしては少々狭いですが、ちょっとした物を保管するのに最適なスペースがあります。
例えば、季節外れのレジャー用品や普段使わない子供のおもちゃなど、屋内に置くと場所を取ってしまうものを保管するのに適しています。
さらに、サービスバルコニーには屋根もあるため、適切な保管環境を整えれば、置いている物が濡れてしまうことはほとんどありません。
このような収納スペースとしての機能が、サービスバルコニーの大きなメリットです。
窓のひさしになってくれる
サービスバルコニーは、窓の上に取り付けられた屋根の役割も果たします。
サービスバルコニーによって提供される屋根は、日陰を作り出してくれます。
これにより、夏には直射日光を遮ることができ、室内を涼しく保つことができます。
一方、冬には日差しを取り込むことで、室内を温かく保つことができるようになります。
日光が常に室内に入ると、カーテンや壁紙が劣化し、色あせてしまう可能性があります。
また、エアコンの効果も低下することがあります。
しかし、サービスバルコニーによって提供されるひさし効果により、これらのリスクを軽減することができます。
特に、キッチンは暑さや冷えが気になる場所であり、サービスバルコニーがあることでより快適な空間になるでしょう。
ガーデニングを楽しめる
サービスバルコニーはメインバルコニーよりもやや狭いスペースですが、ガーデニングや家庭菜園を楽しむのには十分な広さがあります。
洗濯物などを干すメインバルコニーでガーデニングをしていると、虫が集まってきて洗濯物に入り込んでしまう可能性がありますが、独立したサービスバルコニーならそういった心配はありません。
サービスバルコニーは、ガーデニングや家庭菜園用の専用スペースを持つことができるので、植物を育てることを趣味にしている人にとってはとても嬉しいですね。
ここで花や野菜を育てることができれば、リラックスできる空間を作り出すことができます。
さらに、植物にとっても快適な場所で、十分な日光と風を受けることができます。
どの季節でも楽しめる豊かな緑を楽しむことができるでしょう。
サービスバルコニーの奥行き
サービスバルコニーは、通常1m以下の小さなサイズの設備を指します。
このため、十分なスペースが得られるわけではありません。
ゴミ置き場や室外機の場所として使用する場合、奥行きがそれほど問題ではありません。
ただし、ガーデニングや家庭菜園、物置として使用する場合は、1m近くの奥行きが必要です。
しかし、サービスバルコニーの奥行きだけで物件を判断することはほとんどありません。
むしろ、広さが広く、さまざまな目的で使用できることを考慮し、間取りや他の設備を重視してマンションを選ぶことをおすすめします。
サービスバルコニーを使用するときの注意点
最後になりますが、サービスバルコニーを利用する際に気を付けるべきポイントについて詳しくお伝えいたします。
大量の水を流さない
サービスバルコニーは外に面しているので、多くの人が水で濡らしても大丈夫だと思っているかもしれませんが、実はバルコニーやベランダは大量の水を流すことができない場所です。
マンションのバルコニーには防水処理が施されていますが、雨水以上の水には耐えられないため、漏水の原因になってしまうことがあります。
実際に、管理規約には「ベランダやサービスバルコニーには水を流さないでください」と書かれているマンションがたくさん存在します。
特に掃除の際にはたくさんの水を使ってしまう人が多いため、注意が必要です。
掃除やガーデニングをする際には、必要最低限の水しか使わないようにしましょう。
ゴミを置くときはフタ付きのゴミ箱を用意する
サービスバルコニーの活用方法としておすすめの一つは、ゴミの一時置き場として利用することです。
しかし、注意が必要です。
ゴミ袋のまま外に置いてしまうと、カラスによってゴミが荒らされてしまう可能性があります。
また、悪臭やゴミが風に乗って他の住人の部屋に飛び散ってしまう可能性もあります。
最悪の場合、隣人トラブルに発展することもあるでしょう。
さらに、ゴミを放置しておくとマンションの美観が損なわれるため、管理組合から厳重に注意されてしまう可能性もあります。
サービスバルコニーにゴミを置く場合は、必ずフタ付きのゴミ箱を用意してください。
フタがついていれば、カラスやその他の動物からゴミを守ることができます。
また、ゴミの臭いもフタで抑えることができます。
ゴミの一時置き場として利用する際には、他の住人に迷惑をかけないように注意してください。
喫煙は避ける
喫煙者の中には、室内にタバコのニオイが充満しないようにするため、サービスバルコニーで喫煙する人もいるかもしれません。
しかし、サービスバルコニーで喫煙すると、上や隣の部屋にニオイが入り込んで他の住人に迷惑をかける可能性があります。
そのため、できるだけサービスバルコニーで喫煙することは避けたほうが良いです。
中には、管理規約に「サービスバルコニーでの喫煙を禁止する」と明記されているマンションもありますが、そうでない場合でも注意しながら利用する必要があります。
サービスバルコニーは共用部分なので、周囲への影響を考慮しながら使用することが何よりも大切です。
まとめ
サービスバルコニーとは、主にアパートやマンションなどの建物に設けられる、奥行きが1m以下程度の小さなバルコニーのことです。
このタイプのバルコニーでは、人が作業するほどの広さはありませんが、大きさの設計次第では、ガーデニングやゴミ置き場として活用することができます。
そのため、利用者にとって便利でおすすめの設備と言えます。
ただし、サービスバルコニーは共用部分にあたりますので、利用する際には周囲の住民に配慮する必要があります。
例えば、ゴミ箱を置く場合は、臭いや出し入れの際の騒音を最小限に抑える工夫が必要です。
また、ガーデニングを楽しむ際には、鉢や植物の配置に注意し、周囲の住民のプライバシーを尊重するようにしましょう。
つまり、サービスバルコニーは、限られたスペースを有効活用することができる便利な設備ですが、利用する際にはマナーを守り、周囲の住民との良好な関係を築くことが大切です。