タワー マンション防音性|防音性は高い?騒音への対策方法

不動産

タワーマンションとは、通常20階以上の高層マンションを指します。

このようなマンションは一般的に高級感があり、設備も充実しているため、多くの人々に魅力とされています。

また、耐震性にも優れており、頑丈な構造を持っているため、騒音トラブルの心配はないと思われがちです。

しかし、実際には、タワーマンションを選ぶ際には騒音に悩まされる可能性もあることを知っておく必要があります。

タワーマンションの防音性は高いの?

タワーマンションは、一般的には高層階であり、周囲の騒音を遮断するために建物の構造に工夫がされています。

タワーマンションの防音性

SRC造の建物は、RC造とほぼ同じ防音性能を持っていると考えられています。

どちらもコンクリートの厚さがあるため、木造や鉄骨造に比べて隣の部屋の音は気になりにくいです。

ただし、防音性は建物の構造だけでなく、個々の物件の建設や間取り、細かな工法にも左右されます。

そのため、SRC造の物件に住んでいるからといって、必ずしも騒音のトラブルを回避できるわけではありません。

例えば、隣の部屋の音が聞こえたり、外部からの騒音が気になることがあります。

具体的な音のトラブルについて考えてみましょう。

例えば、隣の部屋のテレビや音楽の音量が大きすぎると、その音が壁や床を通じて自分の部屋まで伝わり、気になることがあります。

また、外部からの交通や騒がしい人々の音も、建物の防音性によっては影響を受ける可能性があります。

そのため、SRC造の建物に住む際には、騒音のトラブルを避けるために、周囲の環境や近隣の騒音源などを考慮することが重要です。

また、必要に応じて室内に防音設備を追加するなど、個別の対策を検討することも必要です。

要するに、SRC造の建物は一般的には防音性能が高いと言えますが、トラブルを回避するためには個々の物件や周辺環境の特性を考慮しなければなりません。

タワーマンションの基本構造

一般的な集合住宅は、主に鉄筋コンクリート(RC)構造で建てられています。

RC構造は、鉄筋と型枠を使ってコンクリートを流し込んで建物を形成する方法です。

この構造は、建物の強さや耐火性に優れています。

一方、高層のタワーマンションなどの建物は、鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)構造で建てられることが一般的です。

SRC構造は、鉄筋コンクリートの中に鉄骨を組み込んで建物を作る方法です。

この構造は、建物の強さと柔軟性が特徴です。

どちらの構造も、耐火性や耐震性、遮音性に優れており、集合住宅でも騒音トラブルが起こりにくいと言えます。

これは、建物がしっかりとした耐震設計で造られているためで、地震に対する安全性が高いです。

また、建物内の隣人からの騒音の伝達も少ないので、住み心地が良いと言えます。

いずれの構造も、よく維持されている場合は、長期にわたって安全かつ快適な住環境を提供してくれます。

しかし、建物の管理や定期的な点検などの適切な管理が重要で、それによって建物の耐久性が維持されることが求められます。

タワーマンションの騒音の種類と原因

タワーマンションに住んでいると、通常の生活音や高層階特有の音という2種類の騒音が感じられます。

まず、通常の生活音には、隣人の足音や物音、家電の稼働音、声などが含まれます。

これらは日常生活で避けられない音であり、他の住人の生活に密着しているため、隣人同士の生活音が反響してしまうことがあります。

一方、高層階ならではの音とは、常に風が強く吹いていることによる音や、建物の揺れによって発生する音を指します。

通常の生活で生じる音

通常の生活では、さまざまな音が発生することがあります。

例えば、人々の話し声や足音、給排水の音、電化製品の稼働音、ペットの鳴き声、楽器の音などです。

これらの音は、集合住宅で暮らしている場合、ほとんどの物件で発生する可能性があります。

ただし、築年数が古いマンションよりも新しいマンションの方が、防音性能が高くなる傾向があります。

したがって、物件によっては騒音を感じる程度に違いが出ることもあります。

また、マンションでは、ペットの飼育や楽器の演奏などが管理規約で禁止されていることもよくありますので、鳴き声や楽器の音に悩まされることは比較的少ないでしょう。

高層階ならではの音

タワーマンションの高層階に住むと、様々な騒音が特徴的に感じられます。

高層階には周囲に音を遮るものが少ないため、遠い場所で発生した音も低層階よりもより明瞭に聞こえてしまいます。

また、タワーマンションは車の通りが多い地域に立地することが多く、そのため地上で走る車のクラクションや緊急車両のサイレンなどが特に騒々しく感じられることがあります。

さらに、高層階では飛行機のジェット音が近くで聞こえることもあります。

特に航空ルートに位置する場合は、飛行機の音に気を取られることも少なくありません。

内覧時のチェックポイント

建物の防音性は、マンションやアパート、一戸建てなど、物件の種類や状態によって大きく異なります。

購入や賃貸する前に必ず内覧することが重要です。

こちらでは、内覧時に確認すべき重要なポイントについて詳しく説明します。

周辺環境を確認しておく

内覧時には、室内だけでなく室外の環境にも注目することが重要です。

特に、鉄道沿いや大通り沿いに建てられた物件では、通り過ぎる車の騒音が高層階まで聞こえることがあり、気になることがあります。

しかしながら、このような立地条件のマンションでは、窓ガラスが二重になっているなどの騒音対策が施されていることも一般的です。

そのため、内覧の際には近隣環境と一緒に、室内の設備にも意識を向けることが重要です。

床の厚さや素材をチェックする

下にある階や上にある階との隔音性は、床の状態によって変わります。

床の厚みに関しては、「スラブ厚」と呼ばれるコンクリートの厚さを確認することが重要です。

構造によって基準は異なるかもしれませんが、スラブ厚が200mm以下だと床は薄いとされ、音が響きやすくなることがあります。

また、素材に関しても、使用されているフローリングの種類によって防音性能が異なることがあります。

床の厚みや素材については、売主または不動産仲介会社の担当者に確認して調べてもらえますので、気になる場合は事前に質問しておくと良いでしょう。

排気口から音が入ってこないかチェックする

もし中古のマンションをご検討される場合には、室内に悩みの種となるような音が入ってこないか事前に確認しておくことをおすすめします。

例えば、窓を閉めていても外部の音が聞こえる場合、それは窓や玄関ドアの問題ではなく、排気口からの音が入ってくる可能性も考えられます。

ですので、排気口周りにも注意を払うことが重要です。

防音性に優れたタワーマンションを選ぼう

タワーマンションとは、一定以上の高さを持つマンションのことを指し、具体的な定義は存在しません。

したがって、防音性も物件によって異なる場合があります。

そのため、建物の構造を考慮して、防音性を判断する方法を知っておくと安心です。

床の構造の種類と違い

マンションの床構造には、大きく2つのタイプがあります。

一つは、コンクリートの上に直接床材を敷く「直床」であり、もう一つは、コンクリートと床材の間に空間を作り、その上に床を敷く「二重床」です。

二重床は、配管や配線の配置を自由に変えたり、間取りを変更したりすることが容易です。

これは、将来的にリフォームやリノベーションを行う可能性を考慮した場合、非常に柔軟性が高い利点となります。

そのため、比較的新しい築年数のマンションでは、よく採用されています。

しかし、二重床はコンクリートと床材の間に空間ができるため、遮音性が低下するという課題も抱えています。

これは、直床と比べて注意が必要な点です。

具体的なスラブ厚の基準について考える場合、直床の場合は最低でも200mm以上と考えるべきですが、二重床の場合は250mm以上を目安に検討すると良いでしょう。

マンションの「竣工図」と呼ばれる図面には、床構造やコンクリートの厚みなどが記載されています。

この図面を参考にすることで、防音性などの構造面について確認することができます。

竣工図は、新築物件や中古物件に関わらず、購入前に確認することが可能です。

売主または不動産仲介会社の担当者に依頼して、竣工図を提示してもらいましょう。

戸境壁の種類と違い

マンションの戸境壁(こざかいかべ)には、「湿式(しっしき)」と「乾式(かんしき)」の2つの工法があります。

湿式はコンクリートを使用して作られる工法であり、乾式は石膏ボードを使用して作られる工法です。

一般的に、湿式は壁の密度が高く、遮音性能も高い傾向があります。

ただし、タワーマンションなどの高さのある建物では、建物の総重量を軽くするために乾式が選ばれることもあります。

しかし、乾式の工法は技術の進歩により改善されており、新しい建物では湿式と遜色ない遮音性能を持つことが多いです。

壁の遮音性能は「TLD値」という単位で示されます。

一般的には、TLD値が56~60の乾式壁であれば十分に高い遮音性能があると考えられています。

マンションの管理規約などにはTLD値が記載されていることがありますので、乾式が採用されていて遮音性能が気になる場合は、事前に確認しておきましょう。

階数にも注意

タワーマンションに住む際には、階数によって住み心地が異なることがあります。

そのため、各階の特徴を事前に把握しておくことが重要です。

例えば、最上階に住めば、上の階からの生活音を気にする必要はありませんが、一方で高層階特有の騒音が発生することも考えられます。

逆に、共用部分が下の階にある2階部分では、下の階を気にせずに暮らせる利点がありますが、タワーマンション独特の素晴らしい眺望や日当たりなどのメリットを享受することはできません。

そのため、物件を探す際には、防音性だけでなく、他の条件にも注意を払うことが重要です。

例えば、LIFULL HOME’Sでは、20階以上の高層マンションに特化した「タワーマンション特集」を提供しています。

最適な物件を見つけるためには、できるだけ多くの物件情報に触れることが重要であり、内見を重ねることもおすすめです。

効率的に条件に合った物件を見つけるために、ぜひ利用してみてください。

まとめ

一般的なマンションと比較して、タワーマンションの遮音性は大きな違いはありません。

しかし、高層階に住んでいる場合は、他の階からの騒音が気になることもあります。

そのため、物件を選ぶ際には注意が必要です。

また、騒音の原因は思いもよらない場所から発生することもあります。

例えば、排気口などが騒音の原因となることがあります。

そのため、物件の設計や壁・天井の構造も考慮する必要があります。

どの物件を選ぶかは、個別の条件を確認することが重要です。

具体的には、床や壁の工法・厚み、使用されている建材に注目する必要があります。

竣工図を見せてもらいながら、これらの情報を確認しましょう。

その上で、適切な物件を選ぶことができます。

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